ウリアンカルドのアグリツーリズモ カスタニョーリ・ネッロ
2007年 07月 09日
Agriturismo Castagnoli Nello (Ugliancaldo)
宿をとったカゾラ・イン・ルニジャーナのウリアンカルド村にある、アグリトゥーリズモ・ダ・ネッロは栗栽培農家のかたわら民宿を経営している。テレビもなく素朴、とても清潔にしている宿で快適だった。 朝食に宿の食堂へと出向くと、例によってパンとトルタが用意されており、「カップッチョ(カップッチーノ)飲みますか?」と聞かれ、食傷気味なので「要らないか」とも思ったが、どう見てもカップッチョの雰囲気なのでもらうことに。 (↑村のメインストリート(笑)) 「昨夜のパン工房はどうでした?」と聞かれたついでに、栗粉農家としてどのような料理があるか尋ね、「今食べられる?」とこの機を逃すまいと熱く申し出た(この後出発なのでパンやトルタを食べている場合ではない)。料理上手な奥さんなので「手間のかからないものならいいわよ」とキッチンに向かい見学させてもらうことに。ファッビオの言う「最高の栗粉」を水で溶き、熱したフライパンに多目の油を入れて焼くだけの“栗粉のフリッテッレ”。 自家製ペコリーノのリコッタと共に頬張る。縁はサクっとし全体はふんわりの食感が心地良い。後から栗粉の風味が追いかけてくる。新鮮な自家製のリコッタも美味い。丸ごと1個置いてっちゃうところがアバウトでイイ(笑)。このフリッテッレは単にリコッタと共に食べれば前菜にもなるし、栗のハチミツやジャムを添えればデザートにもできる。 (↑昨晩ファッビオにもらってきた栗粉パン。ちょっと味見して残りを宿の奥さんに差上げたら、ファッビオが“最上級”というダ・ネッロ自家製の栗粉を2kgほど持たせてくれた。またしても物々交換で図らずも荷物が増えてしまった。嬉しいが旅の途中に大丈夫か?!)
フィレンツェのサンティッシマ・アンヌンツィアータ捨て子養育院の広場で、ある日曜日にルッカ辺りの農家が屋台で地元物産を売りにくるのだが、そこで“ネッチという栗粉のクレープを食べた事がある。やはりリコッタを添え味わいの系統は同じだが、ただ栗粉の品質が格段に違った。それから先ほどの生地にさらに栗粉を追加して、独特のクレープパンで焼くネッチは、よりソフトな風合いで優しい味。
食堂を出たちょい先の高台には栗の乾燥小屋がある。中に入ると土間の中心に囲炉裏があって、中空に棚が設けられておりそこに栗を広げて乾燥させる。壁という壁は燻されたタールで真っ黒、薫香の匂いといいまるっきりスモークハウスそのもので、栗を乾燥させるだけでなく薫製にしているのだった。その殻を剥いて粉にする。独特の風味はこうして作られていた。そして熾火ではテスタローリが作られる。
小屋から見下ろせば幾つも重なる山と谷に一面の栗林。遠くに小さな集落がいくつか見える。この豊かな自然に美味しい郷土料理、人里離れた人口僅か20人に満たない小さな集落。イギリス人やドイツ人が夢中になるわけだ。
フィレンツェのサンティッシマ・アンヌンツィアータ捨て子養育院の広場で、ある日曜日にルッカ辺りの農家が屋台で地元物産を売りにくるのだが、そこで“ネッチという栗粉のクレープを食べた事がある。やはりリコッタを添え味わいの系統は同じだが、ただ栗粉の品質が格段に違った。それから先ほどの生地にさらに栗粉を追加して、独特のクレープパンで焼くネッチは、よりソフトな風合いで優しい味。
食堂を出たちょい先の高台には栗の乾燥小屋がある。中に入ると土間の中心に囲炉裏があって、中空に棚が設けられておりそこに栗を広げて乾燥させる。壁という壁は燻されたタールで真っ黒、薫香の匂いといいまるっきりスモークハウスそのもので、栗を乾燥させるだけでなく薫製にしているのだった。その殻を剥いて粉にする。独特の風味はこうして作られていた。そして熾火ではテスタローリが作られる。
小屋から見下ろせば幾つも重なる山と谷に一面の栗林。遠くに小さな集落がいくつか見える。この豊かな自然に美味しい郷土料理、人里離れた人口僅か20人に満たない小さな集落。イギリス人やドイツ人が夢中になるわけだ。
by cocogoloso
| 2007-07-09 11:22
| イタリア郷土料理探訪記